肝臓移植の流れとポイント
肝臓は脂肪の貯蔵、タンパク質の分解、薬物代謝など多くの重要な機能を担う臓器です。アルコールや薬物の代謝に伴い、細胞が死滅すると再生が起こりますが、繰り返しのダメージは瘢痕(肝硬変)を形成します。肝機能が著しく低下した場合、肝臓移植が必要になることがあります。
1. 移植の評価
待機リストに登録される前に、移植が最適な治療かどうかを判断するための包括的な評価が行われます。また、手術に耐えうる健康状態かも確認します。主な検査項目は以下の通りです。
- MRI・CTスキャンによる画像診断
- 血液・尿検査
- レントゲン・骨スキャンで骨密度や腎機能の評価
- がんなど他臓器への転移がないかの確認
2. 待機期間
適合する肝臓が見つかるまでには時間がかかります。患者の血液型や体格、免疫学的適合性が合致する必要があります。待機中は以下を心がけます。
- 医師の指示に従い、処方薬を継続的に服用する
- 手術に備えて必要な持ち物(スーツケース等)を準備する
- 麻酔科医・外科医から術前の薬剤指示を受ける
3. 肝臓が見つかったとき
適合肝臓が確保されると、病院から電話で連絡があります。連絡を受けたら、以下の準備を行います。
- 手術前の絶食(飲食禁止)を守る
- 腸内残留物を除去するための浣腸を実施
- 手術部位(胸部・腹部)の毛をシェービングする
4. 手術
全身麻酔下で旧肝臓を摘出し、提供肝臓と置換します。血管や胆管を新しい肝臓に正確に再接続し、血流と胆汁の流れを回復させます。
5. 手術後の管理
手術後は集中治療室で慎重に経過観察します。主なケア項目は以下です。
- 疼痛管理のための鎮痛薬投与
- 創部の感染予防(清潔保持、抗生物質の使用)
- 医師の許可が出たら退院し、在宅での経過観察を継続
- バランスの良い食事と適度な運動で体力回復を図る
以上の流れを踏むことで、肝臓移植後の回復を安全かつスムーズに進めることができます。
