起立性低血圧とは何か?原因・症状・治療法を徹底解説
起立性低血圧とは
起立性低血圧は、立ち上がったときに血圧が急激に低下する状態です。米国神経学会は、立位になってから数分以内に収縮期血圧が20 mmHg以上、または拡張期血圧が10 mmHg以上低下した場合と定義しています。疾患そのものではなく、他の何らかの要因が原因で起こる症状です。全年齢で起こりますが、特に高齢者に多く見られます。
原因
起立性低血圧の原因は多岐にわたりますが、最も一般的なのは脱水です。その他の主な原因は以下の通りです。
- 心疾患(心不全、心筋梗塞など)
- 重度のやけど
- 糖尿病
- 激しい嘔吐や発熱
- 神経系疾患(多発性硬化症、パーキンソン病など)
- ビタミンB12や葉酸の欠乏
- その他の代謝・内分泌障害
薬剤も原因になり得ます。代表的なものは以下です。
- α・β遮断薬
- 降圧薬
- 利尿薬
- インスリン
- 麻薬系鎮痛薬
- 三環系抗うつ薬
- 血管拡張薬
- バイアグラ(PDE5阻害薬)
症状
症状は人によって異なりますが、代表的なものは以下です。
- めまい・立ちくらみ
- 吐き気
- 頭がぼんやりする、視界がかすむ
- 疲労感・筋力低下
- 混乱感や意識が遠くなる感覚
- 失神を防ぐために急に座りたくなる
症状がある場合は必ず医師に相談し、原因の特定と適切な対策を受けましょう。
治療法(薬を使わない方法)
原因に応じた対処が基本です。薬剤が原因の場合は、医師と相談のうえ減量または別の薬に変更します。
日常生活で取り入れられる非薬物療法の例は次のとおりです。
- 立ち上がる前に足首を数回回す、足の指先を曲げ伸ばしする
- 起き上がるときはゆっくりと姿勢を変える
- 1回の食事量を減らし、1日数回に分けて摂取する
- こまめに水分を補給し、脱水を防ぐ
- ベッドの頭側を15〜30度上げて寝る
- 圧迫ソックス(弾性ストッキング)を着用する
- アルコールやカフェインの過剰摂取を控える
- 熱い入浴は避け、過度な排便時のいきみは控える
治療法(薬物療法)
症状が軽減しない場合、医師は以下のような薬を処方することがあります。
- フロリネフ(フロリネフ)は、血管内の体液量を増やすことで血圧を上げます。副作用として頭痛やマグネシウム・カリウムの低下が報告されています。
- 必要に応じて、血圧上昇作用のある他の薬(ミドドリンやフルドロコルチゾンなど)を併用することもあります。
薬の選択は個々の健康状態や原因に合わせて医師と相談しながら決定します。
