高度順応の効果と安全対策
生理的変化
低地から高地へ移動すると、酸素分圧が低下します。その結果、呼吸数が増え、肺血流が上昇し、赤血球数が増加し、ヘモグロビンが酸素を放出しやすくなります。心拍出量は減少し、心拍数は上昇します。これらの変化はすぐに起こりますが、ヘモグロビンの産生増加などは数週間から数か月かかります。高地では海面レベルと同じ持久力は得られません。
身体的症状
高度が上がるにつれて、頭痛、倦怠感、思考力低下、睡眠障害(不眠や中途覚醒)、視覚のぼやけ、食欲不振、めまい、吐き気、全体的な不快感などが現れます。症状は夕方に悪化しやすいです。逆に高地から低地へ下がると症状はほとんど感じませんが、頭痛が残る人もいます。
高度病予防のポイント
山岳登山では、ゆっくりと高度を上げ、こまめに休憩を取ります。十分な水分補給を心がけ、脱水のサインに注意しましょう。カフェイン、ニコチン、アルコール、利尿薬は避けます。全粒粉のパンやエネルギーバー、果物などの複合炭水化物を多く摂取してください。症状が悪化したらすぐに下山し、夜は低い地点で睡眠をとることが推奨されます。
事前の注意事項
車や飛行機で高地へ向かう場合、アセタゾラミドやデキサメタゾンなどの高度病対策薬を携帯すると安心です(デキサメタゾンは処方が必要)。薬は症状の緩和に役立ちますが、根本的な治療は高度を下げることです。1日あたり数千フィート(約600〜900メートル)以下の段階的な上昇を計画し、夜は十分に休むようにしましょう。
