乾燥溺死について
乾燥溺死は、全ての溺死ケースの15%未満を占め、米国では年間約500人がこの状態になります。酸素を空気から取り込めなくなることが原因で、呼吸器系の損傷、組織の酸素取り込み・貯蔵機能の変化、特定筋肉の予期せぬ麻痺などが関与します。酸素以外のガスを吸い込む場合や、水責め(ウォーターボーディング)でも発生することがあります。
時間経過
症状が現れるまでに最長で72時間かかることがあり、診断が困難です。典型的な症状は極度の疲労や行動の急激な変化ですが、被験者が単独で過ごす場合は見逃されやすいです。息切れ、胸痛、皮膚が青ざめるなどの症状は、死が近づく数分前に現れることがあります。
影響
異物(例えば水)が吸入されると、声帯が痙攣し閉じてしまい、酸素が取り込めなくなります。その結果、横隔膜付近に真空が生じ、呼吸が困難になると同時に、二つの状態が起こります。二酸化炭素が排出できずに蓄積する低酸素症と、心臓が血液量を増やし続けて心臓が伸展し過剰な圧力に耐えられなくなる状態です。これらが重なると最終的に死亡に至ります。
誤解
名称から大量の水を飲み込む必要があると考えられがちですが、実際には乾燥溺死の被害者の肺に水はほとんど、あるいは全く見つからないことが多いです。声帯が閉じた原因となる異物は、死後の検査でも見つけにくい場合があります。
予防・対策
水中に飛び込む際は鼻をつまみ、口を閉じることで、たとえ少量でも肺に入る水流を防げます。鼻栓などの装備も有効です。もし水を吸い込んでしまった場合は、咳を促して余分な水分を排除し、気道をクリアにするよう指導しましょう。
警告
幼児は常に監視が必要です。無意識にジャンプやダイビングを行うと、急な危機につながります。保護者は子どもに適切な水の安全教育を行うことが重要です。
