遠位後退を伴う上腕二頭筋腱断裂の定義と概要
定義
遠位に後退した上腕二頭筋腱の全層断裂は、上腕二頭筋と前腕の橈骨をつなぐ腱が完全に切断され、筋肉が骨から離れて引き込まれる状態を指します。
解剖学
上腕二頭筋は上腕前面に位置し、肩関節に付着する頭部と前腕の橈骨に付着する遠位腱部の二つの腱を持ちます。遠位腱は橈骨に付着し、前腕の回転や屈曲に重要な役割を果たします。
原因
遠位腱の全層断裂は、上腕二頭筋が突然強く収縮することで起こります。ウェイトトレーニング、投球、スポーツなどの活動中に発生しやすく、肘部への直接的な外傷でも起こります。
症状
主な症状は以下の通りです。
- 肘前部の痛み
- 腫脹や青あざの出現
- 上腕・前腕の筋力低下
- 前腕の回内・回外が困難
- 肘部の変形が目立つ
治療
遠位腱断裂の治療は、腱を骨に再付着させる手術が主流です。多くは関節鏡下手術で行われ、小さな切開とカメラで操作します。
術後はキャストやスリングで腕を固定し、リハビリテーションで可動域と筋力を回復させます。
予後
予後は概ね良好で、手術後数か月で日常生活やスポーツに復帰できるケースが多数です。
