感覚統合障害の子どもが抱える感情的な課題
感覚統合障害(Sensory Processing Disorder)は、子どもの脳が感覚から得た情報を正しく解釈できないことで起こります。神経機能の障害であるため、症状は日によって変わりやすく、一貫しません。予期せぬ感情の爆発は対処が難しいですが、保護者や教師は兆候を見分け、トリガーを避けることができます。
触覚の機能障害
- 子どもは触覚に対して過敏で嫌がることもあれば、逆に触れられることを強く求めることもあります。特定の布の質感や風・雨の感触、物に触れること、近くに人がいることに不快感を覚える子もいれば、強い刺激でなければ触覚を感じない子もいます。
前庭感覚の機能障害
- バランス感覚が不安定で高所や落下、急な動きに恐怖を抱く子がいます。一方で、高い場所や絶え間ない動き、回転、危険と感じられる活動を好む子もいます。協調性に欠け、疲れやすく、ダンスのステップを覚えるのが難しい場合があります。
固有受容感覚の機能障害
- 筋肉や関節のコントロールが難しく、ドアを勢いよく閉める、激しく遊ぶ、足を踏み鳴らす、座っていると足を揺らす、玩具を壊すなどの行動が見られます。歯ぎしりや食べ物以外のものを噛むこともあります。
口腔感覚の機能障害
- 味覚・食感・温度に対して非常に敏感で、偏食傾向があります。淡白な食べ物を好む子もいれば、濃いスパイスや調味料を大量に使う子もいます。嚥下や咀嚼が困難だったり、髪の毛や爪、衣服など不適切なものを噛むことがあります。
嗅覚の機能障害
- 嗅覚が過敏な子は、匂いが嫌で食事を拒否したり、調理や衛生の匂いで吐き気を催すことがあります。逆に嗅覚が鈍い子は匂いの違いに気付かず、危険な状況を見逃すことがあります。
視覚の機能障害
- 明るい光に不快感を抱き、左右の区別がつきにくく、注意散漫になりやすいです。文字や単語を逆に読むことがあり、物の位置把握や距離感の判断、文字や数字を書く際に困難を感じます。
聴覚・言語処理の機能障害
- 音の違いが分かりにくく、声の区別や音の識別が困難です。高音や突然の大きな音に過敏で、背景音を除去できません。思考を言葉にする、音読、はっきり話すことが苦手で、音に驚いたり不快に感じることがあります。逆に音に鈍感で、音源が分からず、騒がしい環境を好む子もいます。
社会・感情・調整機能の障害
- 空腹・渇きや刺激レベルの調整が難しく、便秘や下痢、気分の変動、呼吸や心拍数の異常が見られます。暑さ・寒さに対する感受性が極端に高い子や、全く感じない子がいます。衝動的で日常の変化に耐えられず、他者との関わりに苦労します。
