神経障害(末梢神経障害)について
米国では2000万人以上が神経障害(末梢神経障害)を抱えており、体の様々な神経が影響を受けます。痛みやしびれ、感覚異常などが主な症状です。神経障害は原因や影響部位により多様なタイプがあり、症状の重さも人それぞれです。
神経障害の種類
神経障害協会によると、100種類以上が報告されており、以下のように分類されます。
- 運動神経が障害されると、筋肉の動きに支障が出ます。
- 感覚神経が障害されると、温度・痛み・触覚の感覚が変化します。
- 自律神経が障害されると、呼吸・血圧・消化・性機能などが影響を受けます。
部位別の呼称は次の通りです。
- 単一部位に限局する場合は「単神経障害(mononeuropathy)」。
- 複数部位に広がる場合は「多発性神経障害(polyneuropathy)」。
- 左右対称に同部位が影響を受ける場合は「対称性神経障害(symmetric neuropathy)」。
原因別では、糖尿病が原因のものが全体の約30%を占め、同じく約30%は原因不明(特発性)とされています。
神経障害の原因
- 神経の圧迫や外傷(深い切創)
- 毒素や炎症、アルコール依存症
- 自己免疫疾患(ギラン・バレー症候群、ベル麻痺など)
- がん、カルパルトンネル症候群、ライム病、HIV/AIDS
- ビタミン欠乏、低温曝露
- 原因不明の特発性神経障害
主な症状
症状は障害された神経の種類と重症度により異なりますが、一般的には以下が報告されています。
- しびれ、刺すような痛み
- 筋力低下、痙攣、こむら返り
- 協調運動障害、バランス感覚の低下
- 膀胱や血圧の調整異常
- 触覚過敏や視力のぼやけ
- 体重減少や倦怠感
合併症
治療が遅れると、神経機能の喪失、組織障害、慢性的な疼痛、うつ状態、記憶障害、最悪の場合は切断手術が必要になることもあります。早期の診断と治療が重要です。
診断と検査
神経障害の診断は、詳細な神経学的検査に加えて以下のような検査で確定します。
- 神経伝導速度検査(NCS)や筋電図(EMG)
- 神経、皮膚、筋肉の生検
- 感染が疑われる場合は脊髄液検査(腰椎穿刺)
治療法
まずは根本原因の除去が最優先です。糖尿病が原因なら血糖管理、感染が原因なら抗感染療法を行います。
症状緩和のための薬物療法として、以下が使用されます。
- Cymbalta(デュロキセチン)やNeurontin(ガバペンチン)などの抗うつ薬・抗痙攣薬
- Topamax(トピラマート)などの抗てんかん薬
- 局所麻酔剤やステロイドを含む注射
- Zostrix(カプサイシン)クリームやリドカイン貼付剤などの外用薬
- ビタミン欠乏が判明した場合はサプリメントで補充
- 理学療法や作業療法による機能回復支援
個々の症例に合わせた総合的なリハビリテーションが、長期的な生活の質向上につながります。
