ALSとは
ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、進行性の神経変性疾患で、腕や脚の筋肉から始まり、次第に口や舌、喉の筋肉へと広がります。患者は身体の制御が徐々に失われ、最終的には呼吸や嚥下も困難になります。現在のところ、治療法は確立されておらず、薬物療法で症状の進行を遅らせることが唯一の対策です。研究は継続中です。
症状
初期症状は四肢や手の筋力低下、あるいは嚥下・発話・呼吸に関わる筋肉の弱化です。次第に筋肉の痙攣(筋束振戦)やけいれんが現れ、機能喪失の前兆となります。病状が進行すると、腕や脚の使用が困難になり、言語は不明瞭になり、舌や唇の筋肉制御が失われます。末期には呼吸困難や嚥下障害が顕著となり、誤嚥による窒息リスクが高まります。
患者の特徴
ALSは主に40歳から70歳の成人に発症し、平均発症年齢は約55歳です。20代・30代での発症例も報告されています。男女差は小さく、男性の方が約20%多いとされていますが、年齢が上がるにつれて男女比は均等になります。
遺伝的要因
ALSの大部分は家族歴がなく、散発性(SALS)と呼ばれます。家族性(FALS)は全体の5〜10%程度で、遺伝子変異(例:SOD1)が関与していると考えられていますが、発症メカニズムは未解明です。家族内に複数例がある場合でも、養子や早死などで見逃されることがあります。
主なタイプ
現在、ALSは主に3つのタイプに分類されています。
- 散発性ALS(SALS):全症例の90〜95%を占め、最も一般的です。
- 家族性ALS(FALS):遺伝的優性形質で、全体の5〜10%に見られます。
- グアム型ALS:1950年代に太平洋のグアムや信託領土で高い罹患率が報告された特殊形態です。
