EDTAキレート療法とは?
可能性
体内の有害物質を除去するのは、人体が本来持つ自然なプロセスです。本来であれば、体内に入った毒素は速やかに排除されますが、現代の汚染された環境では、排除速度が追いつかず、蓄積が起こります。EDTA キレート療法は、過剰な毒素によって免疫系が処理しきれなくなった物質を、体外へと導く働きを補助すると考えられています。ただし、実際の作用機序はヴァンダービルト大学の心理学部でも未解明とされています。
歴史
EDTA キレート療法は、1931 年にドイツの科学者らがアルミニウム、鉛、カドミウム、水銀などの重金属中毒の治療法として開発しました。1948 年に米国食品医薬品局(FDA)が静脈内投与を認可し、米国で普及しました。同時期に米海軍も船員の重金属蓄積除去に有効であることを確認し、動脈硬化患者への適用が試みられました。1955 年には、EDTA が動脈硬化プラークの主成分であるカルシウム沈着を除去できることが実証され、以降 50 年以上にわたり、重金属や動脈硬化だけでなく、さまざまな毒素や疾患成分の除去を目的とした研究が続けられています。
理論・推測
FDA は EDTA キレート療法を「重金属中毒除去」のみの適応として承認しています。その他の疾患に対する効果は公式には認められていませんが、代替医療の実践者はさまざまな理論を提唱し、認知症、アルツハイマー病、血圧上昇、足の痛みやしびれ、黄斑変性、硬皮症、関節リウマチ、そして自閉症などへの適用を試みています。これらの主張は科学的根拠が乏しく、広く受け入れられたエビデンスは存在しません。
種類
現在、EDTA キレート療法は主に静脈内投与で重金属や動脈硬化プラークの除去に用いられます。一方で、代替医療の現場では経口投与や異なるエチレンジアミン四酢酸塩(例:Ca‑EDTA、Na‑EDTA)を用い、上記のような多様な症状の緩和を目指すケースがあります。
考慮すべき点
2005 年に Seely、Wu、Mills らが実施した 5 件のランダム化比較試験のうち、効果が認められたのは 2 件だけで、残り 3 件はプラセボと比較して有意差がありませんでした。したがって、EDTA キレート療法の有効性は症例や対象疾患によって大きく異なり、慎重な評価が必要です。
