胸腔穿刺と胸膜癒着術の違いは何ですか?

診断

胸腔穿刺は主に診断目的で行われます。細い針を胸膜腔(肺を包む液体がたまる空間)に挿入し、少量の液体を採取して検査します。胸膜腔には常に少量の液体が存在しますが、液体が濁っている(濁性)場合は中皮腫などの疾患が疑われ、透明な場合でも他の病態が示唆されます。

治療

診断で肺の周囲に過剰な液体が認められた場合、胸腔穿刺は治療手段としても用いられます。診断時と同様に針を挿入しますが、今回は検査用の少量採取ではなく、できるだけ多くの液体を抜き取って胸膜腔の液量を正常に近づけます。ただし、この手技は頻繁に繰り返すことは推奨されません。

胸膜癒着術(Pleurodesis)

胸腔穿刺で液体を除去した後も、患者の疾患によっては胸膜腔に液体が再びたまりやすくなります。その場合に行うのが胸膜癒着術です。まず胸腔穿刺で余分な液体を排出し、続いて薬剤(例:タルトレク)を胸膜腔に注入します。薬剤が胸膜を刺激し、炎症と癒着を起こすことで、今後の液体貯留を防止します。

手技の違い

使用する器具や麻酔方法も異なります。胸腔穿刺は針とカテーテル(シリンジまたは真空ボトルに接続)で液体を排出します。一方、胸膜癒着術は胸管やカテーテルを通して薬剤を投与します。麻酔については、胸腔穿刺は穿刺部位の局所麻酔のみで十分です。胸膜癒着術は、肺呼吸器専門医が行う場合は局所麻酔と意識下鎮静、外科医が行う場合は全身麻酔が必要となります。

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