片麻痺のある床から椅子への移動方法

片麻痺は脳卒中などで起こる、体の片側が麻痺する状態です。片側の可動域が制限されたり、完全に麻痺したりします。可能であれば、本人が自力で床から椅子へ移動できるよう支援することが、自己管理の向上につながります。

転移の計画と実施

  1. まず、本人の体力や動作可能範囲を評価し、どの程度自立できるかを確認します。その上で、安全な環境を整えます。例えば、転移時に滑りにくい靴を履かせ、歩行ベルト(ガイトベルト)を本人の胸部に、介助者側にも安全ベルトを装着します。椅子は本人の健側(麻痺していない側)に近い位置に置きます。

    本人が自力でできる場合は、ハーフ・ニーレイング(半膝立ち)法を用いて、床から椅子へ移動させます。具体的な手順は次の通りです。

    1. 床に仰向けまたは横向きでいる場合、まず体重を健側の脚に移し、もう一方の足を前方に出します。
    2. 半膝立ちの姿勢になり、頭を前方の足の上に乗せるように前傾します。
    3. 上体を起こし、麻痺側の足を健側の足の隣に揃えて立ち上がります。
    4. 介助者は本人の背後に立ち、腋下または骨盤に手を添えて立ち上がりを補助します。
    5. 立ち上がったら、椅子の方向へ半回転(ハーフ・ピボット)し、肘掛けを握ってゆっくり座ります。

    自力での転移が難しい場合は、介助者が具体的な手順を口頭で伝え、本人の不安を軽減します。

    本人が床に横たわっている場合は、まず仰向けから座位へとゆっくりと体勢を変えます。麻痺側に体を向け、肩の下に腕を入れ、肩甲骨を支えながら脚を抱えるようにして座らせます。麻痺側の腕や脚を引っ張らないよう注意してください。

    介助者は背筋を伸ばし、膝を曲げて体重を安定させます。手は前方から腋下に滑り込ませ、肩甲骨に添えて支えます。本人には両腕を介助者の肩に掛けてもらい、首に腕を回さないようにします。

    続いて、健側の膝で半膝立ち姿勢を作り、足を前方に出します。介助者は自分の足と膝を足元のくさび形にして、本人が倒れないよう支えながら立ち上がらせます。その後、本人の足先でつま先回転(ピボット)させ、体を椅子の方向へ向け、頭と肩をやや前に保ったまま座らせます。

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