事実

脳血管疾患は血管の動脈硬化などにより血流が阻害され、脳への酸素供給が減少します。この欠血状態(虚血)は、脳細胞の壊死を引き起こし、多くは虚血性脳卒中として現れます。米国シカゴ大学薬学部の調査によると、脳卒中生存者の約半数が永久的な脳障害を抱え、25%が長期的な介護を必要としています。

診断と症状

脳血管疾患が原因で起こる脳卒中は、血流が遮断される虚血性と、血管破裂による出血性の二つがあります。主な症状はめまい、しびれ、構音障害、意識混濁、頭痛、視力低下、歩行・平衡感覚の障害などです。軽度の一過性虚血発作(TIA、いわゆるミニストローク)も同様の症状を呈しますが、通常は一過性で後遺症は残りません。

障害の特徴

脳卒中後に現れる障害は、記憶障害、言語障害、運動機能低下、麻痺などが代表的です。脳の片側だけが影響を受けることが多いため、体の片側に症状が出ることが一般的です。TIAは永続的な障害を残さない一方、リハビリテーションにより機能回復が期待できるケースもあります。

時間がもたらす影響

脳への血流が停止した時間が長いほど、障害の重症度は高まります。典型的な脳卒中は数分から15分で終わりますが、稀に24時間以上続くこともあり、経過時間が1分でも延びると永久的な脳損傷のリスクが上昇します。

障害のタイプ

虚血性脳卒中は軽度から重度まで幅広く、治療への反応で以下の3つに分類されます。

  • 安定型:障害は残るものの、悪化は見られません。
  • 回復型:リハビリや治療により数日~数週間で機能が大幅に回復します。
  • 進行型:症状が徐々に悪化し、障害が増大します。短期間の安定期を挟むこともあります。

主な障害例

脳卒中患者に頻繁に見られる障害は以下の通りです。

  • 麻痺や運動制御の低下 → 歩行や食事が困難に。
  • 嚥下障害 → 食物が肺に入りやすく、誤嚥性肺炎のリスクが増大。
  • 認知障害(認知症、記憶喪失)やうつ状態。
  • 視覚・聴覚・疼痛感覚の異常。
  • 排尿失禁 → 膀胱の感覚が低下。
  • 失語症 → 話す・書く能力が制限される。