神経原性膀胱の病態生理学とは

定義

神経原性膀胱とは、脳や脊髄など中枢神経系に障害が生じ、膀胱の排尿機能が正常に働かなくなる状態を指します。中枢神経系は排尿のタイミングや膀胱の収縮・弛緩を制御しているため、障害があると尿意の感覚や排尿のコントロールが失われます。

症状

症状は基礎となる神経疾患によって異なりますが、大きく「過活動膀胱」と「低活動膀胱」の2タイプに分けられます。

  • 過活動膀胱:頻尿、尿意切迫感、残尿感が残ることが多い。
  • 低活動膀胱:膀胱が満杯でも尿意を感じにくく、排尿開始が困難になる。

正常な膀胱の生理

膀胱は「貯留」と「排泄」の2つの機能を持ち、通常は1日4〜8回の排尿を行います。脳と膀胱平滑筋を支配する神経が連携し、膀胱が満杯になると排尿反射が起こり、尿が排出されます。

病態生理

神経原性膀胱の病態生理は、脳や脊髄の損傷・疾患により排尿制御が障害されることです。代表的な原因は以下の通りです。

  • 脳卒中、脳腫瘍、パーキンソン病、脳性麻痺などの脳病変
  • 脊髄損傷、脱髄性疾患(多発性硬化症)
  • 骨盤骨折、仙骨腫瘍、ヘルニアなどの局所的損傷

これらの障害により、過活動膀胱や低活動膀胱が生じ、頻尿や失禁、排尿困難といった症状が現れます。

治療

治療は症状と原因に応じて選択されます。

  • 薬物療法:過活動膀胱にはオキシブチニンやプロパンテリン、低活動膀胱にはベタネコールなどが使用されます。
  • カテーテル療法:自己導尿や長期留置カテーテルが必要な場合があります。
  • 外科的治療:膀胱拡張手術や神経刺激装置の埋め込みなど、外科的介入が検討されます。

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