前立腺の薬と健康管理
テレビで数時間見るだけで、前立腺に起因する排尿障害に対するさまざまな処方薬があることが分かります。前立腺は加齢とともに大きくなるため、米国でも高齢化が進む中で問題が増えています。
前立腺の肥大:くるみからレモンへ
精液を産生し膀胱のすぐ下に位置する前立腺は、若い頃はくるみ大ですが、60歳頃にはレモン大にまで拡大します。この肥大が尿道を圧迫し、排尿困難や尿の勢いの低下、頻尿、夜間頻尿などの症状(良性前立腺肥大症、BPH)を引き起こします。
薬で症状緩和、がん予防
BPH の治療には主に2種類の薬が用いられます。αブロッカーは前立腺周辺の筋肉を弛緩させ、排尿時の圧迫感を軽減します。5αリダクターゼ阻害薬はテストステロンの作用を抑え、前立腺の成長を遅らせ、縮小させます。
代表的な5αリダクターゼ阻害薬の一つがフィナステリドです。米国国立がん研究所が1993年に実施した大規模臨床試験では、55歳以上の男性を対象にフィナステリドの前立腺がん予防効果を検証しました。その結果、10年後には前立腺がんリスクが25%低減し、前立腺が縮小したことでがんの検出率も向上しました。当初はフィナステリド服用者に侵攻性がんのリスクが上がると報告されましたが、後の解析で誤りと判明しました。
同様に、デュタステリドについても国際的な研究で高リスク群の男性に対しがんリスクが約23%低減することが示され、侵攻性がんのリスク増加は認められませんでした。
鎮痛剤で前立腺サイズ縮小
2009年6月に報告された研究では、イブプロフェンなどの市販の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を毎日服用した男性の前立腺肥大が約50%減少し、排尿症状も改善したとされています。ただし、NSAIDsやアスピリンは過剰摂取により副作用リスクがあるため、医師の指導のもと使用することが推奨されます。
食事でサポート
リコペンという成分を含む食品(トマト、ピンクグレープフルーツ、スイカ、パパイヤ、グアバ、アプリコットなど)は、前立腺がんリスクの低減に寄与する可能性があります。
サプリメントの効果
米国国立がん研究所はビタミンEとセレンのサプリメントが前立腺がん予防に効果があるかを5年間追跡した大規模試験を実施しましたが、いずれもがんリスクの低減効果は認められませんでした。
前立腺がんのリスクや排尿障害が気になる方は、必ず医師と相談し、適切な検査と治療方針を決定してください。
