間質性膀胱炎(IC)についての基礎知識
間質性膀胱炎(Interstitial Cystitis、IC)は、膀胱や骨盤周辺に痛みや圧迫感をもたらす慢性疾患です。米国では約800万人の女性と150万人の男性が罹患しているとされています。症状は波状に変動し、寛解期と悪化期が交互に訪れます。別名として「慢性骨盤痛症候群」「痛みを伴う膀胱症候群」などがあります。
症状
- 頻尿(1日30〜60回まで)
- 尿意切迫感
- 骨盤痛(女性は膣と肛門の間、男性は陰嚢と肛門の間)
- 性交時の痛み(女性)/射精時の痛み(男性)
- 慢性的な骨盤部の不快感
原因
- 膀胱や脊髄の外傷、骨盤手術、膀胱過伸展、排尿の遅延などの物理的要因
- 骨盤筋の機能障害
- 細菌感染や自己免疫疾患
- 骨盤内の過敏性神経(一次性神経性炎症)
考慮すべき点
- IC患者の尿中に特有の「抗増殖因子(antiproliferative factor, APF)」が検出されており、膀胱壁上皮細胞の正常な増殖を阻害すると考えられています。この因子の解明が新たな治療法開発の鍵と期待されています。
診断
- 他の泌尿器系疾患や感染症を除外した上で、頻尿・尿意切迫感に加えて膀胱痛が認められる場合にICと診断されます。
治療法
- 抗炎症薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、そしてIC専用薬のエルミロン(ピロカプタン)
- 神経刺激療法による骨盤痛・頻尿の軽減
- 膀胱伸展療法(水やガスで膀胱を拡張)
- 膀胱内灌注(薬剤を直接膀胱内に注入し炎症を抑える)
- 上記が効果を示さない場合に限り外科手術が検討されます。
