ロタウイルス感染症とは
概要
ロタウイルスは主に子どもに感染する輪状ウイルスで、乳幼児の重度下痢の最大の原因です。世界では毎年約60万人の子どもがロタウイルス感染により死亡しており、米国だけでも年間約40万件の感染が報告されています。米国では毎年約100人の子どもが合併症で死亡しています。
米国の調査(3歳未満の子どもの母親600人対象)では、70%がロタウイルスに関する情報をほとんど知らないと回答しており、母親への啓発が急務です。
伝染経路
ロタウイルスは感染者の糞便を介して主に広がります。トイレ使用後の手洗いを怠るだけでも感染リスクがあります。汚染された表面に触れた手で口や鼻を触る、汚染された食料や水を摂取することでも感染します。ウイルスは手上で数時間、乾いた硬い表面上で数日間生存可能です。
主な症状
感染後2日以内に症状が出ることが多く、嘔吐、発熱、激しい下痢、腹痛が典型的です。下痢による脱水症状に注意が必要で、皮膚が冷たくなる、口が乾く、元気がない、乳児では頭蓋骨のくぼみが深くなる、喉の渇きが強い、泣いても涙が出ないなどが脱水のサインです。
診断と治療
診断は便検査で行われます。特効薬はなく、通常は9日以内に自然に回復します。重要なのは脱水を防ぐための十分な水分補給です。重度の脱水症状が見られる子ども(約1/40)は入院し、点滴で水分と電解質を補います。
予防策
手洗いの徹底が最も効果的です。外出先ではアルコール消毒液や抗菌ウェットティッシュを携帯し、買い物カートのハンドルなどを拭くとよいでしょう。さらに、ロタウイルスワクチンの接種が推奨されており、予防接種により重症化リスクを大幅に低減できます。
