胃腸ウイルスの種類と対策
ウイルスは宿主がなければ増殖できない極小の感染体です。胃や腸に侵入すると、胃腸炎(通称:胃腸風邪)を引き起こします。症状は下痢や嘔吐、発熱だけでなく、小腸や大腸にも影響を及ぼすことがあります。
ロタウイルス
ロタウイルスという名前は、顕微鏡下で車輪(ラテン語の「rota」)のような形をしていることに由来します。Reoviridae科に属し、二本鎖RNAを持つウイルスです。重度の下痢を主症状とし、発熱や嘔吐を伴います。健康な免疫系は通常、3日から1週間で自然に排除しますが、脱水症状を防ぐために十分な水分補給が重要です。
アデノウイルス
アデノウイルスは呼吸器や泌尿器、眼にも感染しますが、胃腸に感染すると下痢や腹痛が現れます。全年齢で感染しますが、特に乳幼児が罹患しやすく、複数の血清型があるため再感染も起こります。
カリシウイルス科(ノロウイルス等)
カリシウイルス科は一本鎖RNAウイルスで、家畜や両生類にも感染します。ヒトに感染すると胃や腸が炎症を起こし、嘔吐・下痢・腹部痙攣が生じます。主な感染経路は経口・呼吸です。多くは軽症ですが、重度の場合は医療機関での点滴などの水分補給が必要です。
アストロウイルス
星形(ラテン語で「astro」)の外観から名付けられたアストロウイルスは、特に5歳以下の子どもに下痢や腹痛、時に寒気を引き起こします。成人でも症状が出ることがありますが、感染は比較的軽く、幼少期に罹患すると免疫が形成され再感染は稀です。
治療・対策
胃腸ウイルスを根本的に除去する薬はありません。症状緩和と免疫力で自然回復を促すことが基本です。胃を休めるために、最初の24時間は透明なスープやブイヨンなどの軽い液体を摂取し、徐々に柔らかく味付けの少ない食事に移行します。また、下痢による水分・電解質の喪失を防ぐため、こまめに水や経口補水液を飲むことが重要です。
