子どもの爪の異常は見た目の問題だけでなく、時には深刻な疾患のサインであることがあります。代表的な爪の疾患として、爪白癬、円形脱毛症、扁平苔癬、表皮水疱症、乾癬、ヘルペス性腫脹があります。

爪白癬(Onychomycosis)

爪白癬は真菌感染により爪が厚くなったり、変色したり、形が崩れたりする病気です。爪が厚くなり痛みを伴うことを防ぐために治療が必要です。足の爪に多く見られ、成人に比べ子どもではまれですが、軽度から中等度の症例は外用薬で、重症例は抗真菌薬の内服で対処します。

円形脱毛症(Alopecia Areata)

円形脱毛症は主に脱毛が特徴ですが、爪にも変化が現れます。爪のくぼみ(ピット)、凹み、爪が抜け落ちる、爪周囲の皮膚が赤くなるなどが見られます。根本的な治療法は確立されていませんが、ステロイド外用薬などで症状の緩和が図られます。

扁平苔癬(Lichen Planus)

扁平苔癬は皮膚や粘膜に炎症性の病変ができる疾患で、爪の根元にリッジ(縦溝)や割れ、薄くなる、最終的に爪が抜け落ちることがあります。成人の中年層に多く、子どもでは稀です。

表皮水疱症(Epidermolysis Bullosa)

表皮水疱症は遺伝性の皮膚疾患で、表皮と真皮が正しく結合できず、摩擦で水疱や潰瘍ができやすくなります。皮膚が非常に脆弱なため「バタフライ・チルドレン」や「クリスタル・スキン・チルドレン」と呼ばれます。現在のところ根本的な治療法はなく、症状管理が中心です。

乾癬(Psoriasis)

爪乾癬は皮膚乾癬とは異なる症状ですが、同時に起こることが多いです。爪が凹んだり、ざらざらしたり、点状のくぼみができるのが特徴です。子どもでは学童期に現れやすく、慢性疾患で完治は望めませんが、時折寛解することがあります。治療はステロイド外用薬や光線療法などが用いられます。

ヘルペス性腫脹(Herpetic Whitlow)

ヘルペス性腫脹は単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染で、特に指先や爪床に水疱や腫れができる症状です。親指の吸い癖や口唇ヘルペスが原因で子どもに多く見られます。感染力が高く、症状は数週間で自然に消失しますが、重症例では抗ウイルス薬が使用されます。