子どもの排尿コントロール喪失
タイプ
- 一次性遺尿:膀胱コントロールを一度も習得していない子ども。
- 二次性遺尿:6か月以上のコントロールを得た後、再び失う子ども。
- 夜間遺尿(夜間失禁):睡眠中のみ起こり、特に男児に多い。
- 日中遺尿(昼間失禁):覚醒時に起こり、女児に多い。日中の失禁は比較的稀で、早く改善する傾向がある。
原因
- 夜間失禁は、膀胱容量が小さい、深い睡眠、膀胱満杯感の信号が認識されないことが主な要因。夜間の抗利尿ホルモン(ADH)分泌不足も関与することがある。成長とともに自然に改善することが多い。稀に、閉塞性睡眠時無呼吸(扁桃腺・アデノイド肥大)や、脊髄披裂に伴う神経障害、膀胱や尿道の閉塞が原因となる。
- 日中失禁は、尿路感染症が最も一般的だが、カフェイン摂取や食物アレルギー、腎臓や膀胱の先天的異常も引き起こすことがある。
診断基準
- 対象は5歳以上の子ども。
- 過去3か月間に、週2回以上の失禁が認められること。
- 既存の疾患や薬剤が原因である場合は遺尿症とは診断しない。
治療法
- 行動療法が第一選択。膀胱筋トレーニングや、満腹感のサインに注意を向ける指導を行う。
- ベッドアラームやウェットセンサーを使用し、最初の湿りを感知して起き上がらせる方法も有効。
- 就寝前の水分摂取制限、夜間の起床、規則的なトイレ習慣、カフェイン除去が助けになる。
- 夜間遺尿に対しては合成ADH(デスモプレシン)投与が行われることがある。
- イミプラミンや抗コリン薬などの薬剤は膀胱平滑筋を抑制するが、薬剤中止後に再発しやすい。
- 催眠療法、鍼灸、マッサージも一部で試みられるが、エビデンスは限定的。
予後
- 大多数の子どもは自然に失禁が解消する。
- 行動療法は約75%の成功率を示す。
- 薬物療法は行動療法と併用した場合に効果が高まる。