アルツハイマーの症状

高齢者に見られる些細な忘れ物—例えば車の鍵を忘れるなど—は、実は深刻な疾患のサインであることがあります。アルツハイマー病は米国で500万人以上が罹患している神経変性疾患で、1906年に初めて確認されました。主な病理は脳内に形成されるアミロイドプラークと神経細胞のもつれです。30代でも発症するケースはありますが、ほとんどは60歳以降に症状が現れます。

認識障害

初期段階では、患者は認知や認識に軽い遅れを示します。例えば、孫の誕生日を忘れる程度です。しかし病状が進むと、配偶者や子どもさえも認識できなくなり、過去の記憶と現在の関係を混同して「息子が亡くなった夫だ」と主張したり、古い住所を現在の住居として語ったりします。

気分・人格の変化

アルツハイマーが進行すると、性格や感情が大きく変化します。衝動制御が低下し、介護者に対して無礼な言動や怒鳴り声を上げることがあります。中等期になると、食べ物や金銭を盗んだと非難するなど、根拠のない攻撃的発言が頻発します。最終期では、急激な気分の変動に加えて、家族や介護者に対して暴力的になることもあります。

日常生活能力の低下

患者は早期から自立した生活技能を忘れ始めます。請求書の支払いを忘れたり、同じ口座に重複して支払ったりすることが増えます。さらに、歯磨きや髪の手入れ、服薬といったセルフケアも疎かになります。進行した段階では、着替えやトイレ、食事といった基本的な行動さえも、度々指示や介助が必要となります。

方向感覚の喪失

神経細胞のもつれにより、記憶の断片が互いに結びつかなくなり、時間感覚や方向感覚が失われます。たとえば、スーパーへ向かうつもりが診療所に到着したり、散歩中に自分の居場所や目的を忘れてブロックの向こう側で迷子になることがあります。後期になると、目的地がはっきりしないまま歩き回る「徘徊」の傾向が強まります。

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