ETOH(エタノール)乱用とは何か?
乱用と依存の違い
精神医学の診断基準である DSM‑IV‑R(第4版改訂)では、アルコール乱用は「臨床的に有意な障害や苦痛をもたらす」飲酒行動として定義され、12か月以内に次のうち1つ以上が認められる場合としています。
- 仕事・学業・家庭の義務を飲酒のために果たせない。
- 運転など危険な状況で飲酒する。
- 飲酒に起因する法的問題が頻繁に生じる。
- 社会的・対人関係に悪影響があるにもかかわらず飲酒を続ける。
一方、アルコール依存は、耐性の増加や離脱症状など、身体的・心理的な依存状態が現れることを特徴とします。
兆候と症状
アルコール乱用の兆候が見られる場合、飲酒問題が制御できなくなっている可能性があります。主な症状は以下の通りです。
- 飲酒量を自制できない。
- 飲酒中に記憶が欠落する(ブラックアウト)。
- アルコールが手元にないとイライラや抑うつ状態になる。
- こっそり飲む、ビング飲酒、家や職場・車内に酒を隠すなどの行動。
- 説明できない怪我が頻繁に起こる。
影響
アルコール乱用は心理的・社会的に多くの問題を引き起こします。具体例は次のとおりです。
- 家庭・職場・学業での問題。
- 対人関係の乱れ。
- 交通事故や暴力犯罪のリスク増加。
健康面でも深刻な影響があります。
- 肝障害、神経系障害、栄養失調。
- 性機能低下、消化不良。
- 特定のがんリスク増大。
- 胎児アルコール症候群など、胎児への影響。
治療
アルコール乱用の治療は、心理的・社会的・医学的なニーズに対応する多面的アプローチが必要です。
- 心理療法:飲酒動機の検討、否認への直接的対処。
- 社会支援:アルコホーリクス・アノニマス(AA)や他のセルフヘルプ、宗教的支援、職業プログラムによるストレス軽減。
- 医療的介入:過度の飲酒がもたらす合併症の診断・治療、急性酩酊患者の安定化、アルコールの効果を弱める薬剤や不快感を与える薬の使用。
