女性と子どもの人身売買が健康に及ぼす影響

人身売買とは、欺瞞や強制、さらには単純な拉致によって人々を捕らえ、別の場所へ移送し搾取する行為を指します。米国国務省のデータによれば、毎年60万~80万人が国境を越えて売買され、そのうち約5万人が米国に入ります。多くの被害者は売春やポルノ産業に強制的に従事させられます。自由を奪われ、異国へ送られ奴隷状態に置かれる心理的ダメージだけでなく、身体的健康にも深刻な影響が及びます。

薬物乱用

被害にあった子どもは、臨床的うつ病や解離性障害、人格障害を患う確率が一般の子どもに比べて2倍高く、成人後に薬物乱用や売春に走るリスクも増大します(E.J. Klain)。薬物依存は寿命の短縮、認知機能の低下、失眠・吐き気・発汗といった症状を引き起こし、さらに不安や抑うつを悪化させます。

身体的外傷

2002年の Hynes と Raymond の調査「Put in Harm's Way: The Neglected Health Consequences of Sex Trafficking in the United States」によれば、性的人身売買の被害女性の3人に2人が重度の内部損傷を抱えており、医療を受ける機会がほとんどありません。約4人に1人が頭部外傷を、約8人に1人が骨折を経験しています。身体的虐待による打撲や、場合によっては生殖器系に影響を与える臓器損傷も報告されています。

性・生殖に関する影響

性的人身売買の被害女性は、結核や性感染症にかかるリスクが一般人口に比べて著しく高く、HIV に感染する確率は一般女性の約10倍です(ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディシン)。さらに、生殖器官の不可逆的な損傷を受ける危険性も高まります。

栄養不良

被害者の多くが栄養不良に苦しんでいます。同調査では、捕らえられた女性は平均で10〜23kg(22〜50ポンド)もの体重減少を経験しています。食事が与えられない、またはカロリーや必要栄養素が不足した食事しか提供されないケースが多く、健康維持が極めて困難です。

まとめ

人身売買は心理的苦痛だけでなく、薬物依存、重度の外傷、感染症リスク、栄養失調といった多岐にわたる健康被害をもたらします。被害者への適切な医療と支援が急務です。

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