妊娠と多嚢胞性腎臓病
概要
多嚢胞性腎臓病(PKD)は、腎臓の機能が低下し、血液中の老廃物除去や体液バランスの維持が困難になる疾患です。嚢胞が増大すると腎臓内部に圧力がかかり、高血圧や尿毒症を引き起こし、最終的には末期腎不全に至ることがあります。妊娠中の女性は、病状の進行を防ぐために医師による継続的なモニタリングが必要です。
妊娠への影響
多くの妊婦はPKDがあっても問題なく出産できますが、合併症として妊娠中毒症(子痙攣前症候群)のリスクが高まります。
リスク要因
特に妊娠前から高血圧がある女性は、PKDによる合併症が起こりやすく、慎重な管理が求められます。
妊娠中毒症(子痙攣前症候群)
全妊娠の5〜8%で発症し、高血圧と尿中タンパクが特徴です。頭痛、急激な体重増加、視覚異常などの症状が現れ、母子の重篤な疾患や死亡の主要因となります。
遺伝的注意点
稀な常染色体劣性PKDは遺伝性で、両親が症状を示さなくても異常遺伝子を保因している場合、子どもが発症する可能性があります。片方だけが保因者の場合、子どもは症状が出ませんが、将来的に遺伝子を次世代へ伝えるリスクがあります。
診断と検討事項
常染色体劣性PKDは出生前に胎児超音波で腎臓の肥大を確認できることがありますが、大きな嚢胞は稀です。肝臓にも瘢痕ができるため、肝臓の画像診断が診断補助に有用です。
