閉経とホルモン

閉経は、女性の月経周期が徐々に遅くなり、最終的に停止することで生殖年齢が終わる現象です。月経はエストロゲン、プロゲステロン、FSH、LH といったホルモンの変動で制御されているため、これらのホルモンが変化することで閉経が始まります。

ホルモンの種類

  • エストロゲン:女性の性成熟と正常な生殖サイクルを維持するために必須。
  • プロゲステロン:受精卵が着床した後、妊娠を支える役割を担う。
  • 卵胞刺激ホルモン(FSH):卵胞の成熟を促し、エストロゲンの産生を刺激する。
  • 黄体形成ホルモン(LH):排卵を引き起こし、黄体の形成を促す。

ホルモンの働き

月経周期ではホルモン濃度が上下します。エストロゲンは通常 FSH を抑制しますが、周期開始直前にエストロゲンが低下すると FSH が上昇し、卵胞が刺激されます。続いてエストロゲンとプロゲステロンが上がり、子宮が受精卵受け入れ態勢になります。エストロゲンが LH の急上昇を引き起こし、排卵が起こります。受精がなければ子宮内膜は剥がれ落ち、月経が始まり、再びエストロゲンが低下して次のサイクルが始まります。

閉経の原因

閉経前期(ペリメノパウス)ではエストロゲンとプロゲステロンが減少し、FSH と LH が上昇します。卵胞が FSH に反応しなくなるとエストロゲンの分泌が減り、FSH がさらに上がり続け、LH も十分に上がらず排卵が起こらなくなります。その結果、卵子が無くエストロゲンが低下するため子宮内膜が早期に剥がれ、周期が短くなります。閉経が完了すると、FSH が高止まりし、エストロゲンとプロゲステロンは極めて低い状態が続き、月経は永久に停止します。

閉経の影響

エストロゲンの欠乏は様々な身体変化を引き起こします。生殖器官の萎縮、皮膚の乾燥・薄化、骨密度の低下(骨粗鬆症のリスク増)、膀胱筋の弱化による失禁などです。また、ホットフラッシュや不眠、膣粘膜の乾燥による性交痛も頻繁に見られます。

治療法

多くの女性はホルモン補充療法(HRT)でエストロゲンを投与し、症状緩和を図ります。エストロゲン単独はホットフラッシュや膣乾燥の改善、骨粗鬆症の進行抑制に効果がありますが、脳卒中や血栓、失禁のリスクが上がります。プロゲステロン併用は子宮内膜がんのリスク低減に役立ちますが、悪玉コレステロールが増える可能性があります。エストロゲン+プロゲステロンの併用は骨粗鬆症や大腸がんリスクを減らす一方で、乳がんや認知症のリスクが上がります。ホルモン療法に加えて、定期的な運動、バランスの取れた食事、リラクゼーションなど自然な方法でも症状緩和が期待できます。

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