高齢者への医療サービスの現状と課題

AHRQと高齢者医療研究

米国医療研究品質局(AHRQ)の高齢者タスクフォースは、1999年に高齢者を「健康サービス研究の優先対象」と位置付け、2000年に高齢者医療提供の改善を目的とした研究提案を募集しました。また、AHRQは「EXCEED」や「EPC」プログラムを設立し、高齢者の質の高い医療に関する課題に取り組んでいます。

高齢者人口の増加

米国では高齢者の数が急速に増加しています。AHRQによると、2011年までにベビーブーム世代の7,700万人が65歳以上となり、2025年には6,930万人がメディケアの対象になります。2030年までに高齢者の約4分の1が人種・民族的少数派になると予測されています。人口増加に伴い、家族だけで高齢者を支えることが難しくなる社会的傾向が顕在化しています。

介護施設の種類と利用状況

高齢者向けの医療・介護施設は、ナーシングホーム、アシステッドリビング、ライフケア施設、住宅型介護施設、共同住宅など多岐にわたります。施設数は地域により異なり、米国全体で1万~4万施設と推定されています。提供されるサービスは州の規制や施設の方針に左右されますが、長期介護の資金調達や医療制度の変化に伴い、地域密着型施設の利用が拡大するとAHRQは予測しています。

医療サービスの変化

技術の進歩により、入院以外でも多くの診療や治療が可能になっています。保険会社が入院費用を抑制する方針もあり、外来やデイケア施設での治療が増加しています。メディケアは、熟練看護師が常駐する施設でのリハビリ・回復ケアや在宅医療、末期腎疾患、ホスピスケアをカバーしています。

救急医療の利用傾向

65歳以上の高齢者は、慢性疾患や手術不要の症状で救急外来を利用するケースが増えています。1992年から2000年にかけて、救急外来利用者は21%増加しました。特に黒人高齢者は白人に比べ利用増加率が高く(黒人は51%、白人は19%)とされ、民間保険加入率の低さや処方薬の入手困難、受診可能な医師の不足が要因と考えられます。

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