助産師が直面する合併症と対処法

はじめに

助産師は妊娠中から出産まで、母子の安全な環境を整える重要な役割を担います。患者数が比較的少ないため、妊婦一人ひとりとじっくり向き合える点が魅力ですが、医療行為である以上、合併症が起きる可能性もあります。以下では、助産師が単独で対処できるケースと、医師への緊急搬送が必要となるケースを整理し、具体的な症状と応急処置を紹介します。

血栓症

出産時に点滴を使用する助産師もいますが、血管内に血栓ができると血流が阻害され、痛みや腫れ、赤み、点滴の流れが遅くなるといった症状が現れます。

対処法

点滴を直ちに停止し、患部を温湿布で温めることで血栓は自然に溶解しやすくなります。症状が改善しない場合は、医師の診察が必要です。

肺塞栓症

肺の主幹動脈またはその枝が血栓や空気で閉塞すると、呼吸困難、肺虚脱、低血圧、呼吸音の左右差、脈が弱くなるといった危険な状態になります。出産時は体が「妊娠状態」にあるため、特に注意が必要です。

対処法

点滴をすぐに止め、母体をトレンデレンブルグ体位(左側臥位で脚を高く上げる姿勢)にします。これにより血液が右心房へ戻り、肺動脈への負荷が軽減されます。症状が重い場合は速やかに救急搬送し、専門医による治療が求められます。

アレルギー反応

妊娠中は免疫機能が変化しているため、アレルギー反応が起きやすくなります。点滴、薬剤、テープ、器具など、出産に使用するすべての物質に対して事前にパッチテストや試験投与を行う助産師もいます。

対処法

アレルギーが疑われる場合は、使用中の物質をすべて中止し、必要に応じて抗ヒスタミン薬やエピネフリンを投与します。症状が重篤な場合は、すぐに医療機関へ搬送してください。

速性ショック/輸液過剰

点滴により血圧が急激に低下し、体内に過剰な液体が入り込むと、血液量に対して液体が多すぎる状態(輸液過剰)になります。これにより不整脈、胸部圧迫感、意識消失、顔面紅潮や頭痛といった症状が出ます。

対処法

点滴を直ちに停止し、ベッドヘッドを上げて呼吸と循環を支援します。助産師は異常なバイタルサインを早期に察知し、医師へ速やかに連絡し、必要に応じて救急搬送を手配します。

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