米国における臨床記録の連邦規制概要
臨床記録は患者と医療従事者の双方にとって極めて重要です。個人情報や診療履歴、治療内容といった機密情報が含まれるため、米国では連邦レベルで厳格な規制が設けられています。
連邦法
患者のプライバシー保護を目的とした主な法律は、次の2つです。
- Health Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA):臨床記録のプライバシーとセキュリティに関するルールを定めています。
- Patient Safety and Quality Improvement Act(PSQIA):患者安全に関する情報の取り扱いを規定しています。
保存期間(Retention Schedules)
連邦規制では、機密性とプライバシーを守るために記録の保存期間が定められています。対象となるのは紙媒体だけでなく、診断画像、手術映像、出生・死亡登録なども含まれます。
- X線フィルムなどの診断画像は最低5年間保存することが推奨されています。
- 疾病、医師、手術に関するインデックスは10年間保存します。
- 成人患者の診療記録は最終診療日から10年間保存。
- 未成年者の記録は成年年齢に達した時点から、法定時効が終了するまで保存。
- 出生、死亡、外科手術に関する記録は永久保存とされています。
アクセス権(Access)
連邦法により、患者は自分の臨床記録へ無制限にアクセスできる権利があります。他の医療機関や第三者が情報を取得する場合は、患者の書面による同意(リリース許可)が必要です。医療提供者も同様に、許可がない限り記録を開示してはなりません。
遵守義務(Compliance)
HIPAA の下では、医療機関は書面による方針と手順を策定し、記録の機密保持とプライバシー保護を徹底しなければなりません。遵守を確実にするために、スタッフは定期的な研修・セミナー・評価を受け、最新のコンプライアンス要件を遵守します。
