グループ健康保険の年間保険料上昇の実態

2008年の米国国勢調査によると、2億5500万人以上のアメリカ人が何らかの健康保険に加入しており、そのうち約1億7600万人(全体の58.5%)が団体医療保険に加入しています。団体健康保険の保険料は毎年上昇しており、平均的な雇用主がその上昇幅を正確に予測することはほぼ不可能です。

地域差の影響

地域が保険料に大きく影響すると考える人が多いですが、生活費が高い地域でも保険料の上昇は地域だけが原因ではありません。地域ごとの医療サービス費は保険料の一要素に過ぎず、全体の上昇要因は複合的です。

団体規模による違い

従業員数によって保険料算定方法が異なります。従業員が50人未満の小規模団体と、50人以上の大規模団体では、年次保険料増加要因の重み付けが異なります。小規模団体では平均年齢が保険料上昇に大きく影響し、年齢層が高いほど保険料は上がりやすくなります。一方、大規模団体は「自己負担(セルフファンド)」方式を選択でき、保険会社ではなく雇用主が医療費を直接支払います。自己負担団体は州・連邦の保険規制を遵守しつつ、独自のプラン設計が可能ですが、保険料増加の見積もりが不正確になるリスクもあります。

保険料上昇の実態

AHIPの調査によると、保険を提供する小規模団体(76万件以上)では、過去10年で年間保険料の上昇率は7%から50%以上と幅広く変動しています。カイザー・ファミリー・ファウンデーションの調査(3,100団体)でも、1999年から2009年の10年間で保険料は総計131%上昇し、同期間の賃金上昇はわずか38%にとどまったと報告されています。全米平均の保険料増加率は6.1%ですが、実際の増加幅は団体ごとに大きく異なるため、正確な予測は困難です。

潜在的な財政問題

1999年から2009年にかけて団体保険料が131%上昇したのは、平均賃金上昇率(38%)やインフレ率(28%)をはるかに上回ります。このまま保険料が上昇し続ければ、多くの家庭が基本的な医療保険を維持できなくなる恐れがあります。雇用主が従業員保険料の平均74%を負担しているものの、小規模事業者の負担率は大企業に比べて低く、従業員側の負担は同期間で128%増加しています。

医療保険改革の影響

保険料が高騰し続けると、保険未加入者が増え、州・連邦政府や納税者が慈善医療の費用を負担する事態になる可能性があります。2010年3月に成立した医療保険改革法は、過度な保険料上昇と隠れた税金を抑制し、保険を提供する企業に新たな税額控除を設けることで、より手頃な保険加入を促進し、経済活性化と質の高い医療提供を目指しています。

ヘルスケア業界(一般) - 関連記事