内科医師とは何か:定義・専門分野・歴史・研修・家族医療
定義
米国内科学会(American College of Physicians)は、内科を成人の疾患の予防・早期発見・治療に特化した専門領域と定義しています。外傷の処置や外科手術、産科、小児医療は対象外です。内科医は、一般診療医が対応しきれない重篤・稀少・複雑な成人疾患の診療に長けており、必要に応じて診療医からコンサルトされます。
専門分野(サブスペシャリティ)
内科医は以下のような多数のサブスペシャリティに分かれます。
- 心臓病(心臓内科)
- 内分泌・ホルモン系(内分泌内科)
- 血液疾患(血液内科)
- 消化器系(消化器内科)
- 腎臓・泌尿器系(腎臓内科)
- 免疫・アレルギー(免疫内科・アレルギー科)
サブスペシャリティを持たない内科医は、総合的なプライマリ・ケアを提供し、あらゆる成人疾患の第一接触医として活躍します。また、複雑で難治性の症例に対してコンサルタントとして関わることもあります。
歴史
内科学は19世紀ドイツで始まり、実験室科学と臨床診療の統合を目指した医師たちによって確立されました。その後、ドイツで研修した米国帰国医師がこの概念を持ち帰り、米国内で専門領域として定着しました。米国内科医は協会を結成し、内科専門医資格の認定制度を整備しました。
研修制度
内科医になるには、まず4年間の医学部教育を修了し、続いて3年間の内科レジデンシー研修が必要です。近年、一部の学術内科医は研修期間短縮を提案し、早期にサブスペシャリティ研修へ移行できるように議論が行われています。2008年12月に『Academic Medicine』に掲載された論考では、短縮のメリットとデメリットが検証され、結局は従来の長期研修が患者安全と診療の質を保つ上で重要であると結論付けられました。
内科と家庭医学の関係
サブスペシャリティよりも総合診療を重視する流れは、内科の伝統的な姿勢に変化をもたらす可能性があります。多くの内科医は、同一家族の子どもから高齢者までを対象に診療し、実質的に「ファミリープラクティス」を提供しています。一方、小児科医は思春期以降も患者を担当し、家庭医は新生児から高齢者まで幅広くカバーします。2009年3月にMedscape Family Medicineに掲載された記事では、内科・家庭医学・小児科を統合した新たな専門領域の可能性が検討されています。
