FTIR(フーリエ変換赤外分光法)の概要

FTIR(フーリエ変換赤外分光法)は、赤外分光法の最新形態で、有機・無機化合物の同定や、固体・液体・気体の分析に利用されます。未知試料の同定だけでなく、特定成分の定量も可能です。

赤外分光法

従来の赤外分光法は分散型で、プリズムにより光を波長ごとに分離し、順に試料に通す方式でした。FTIRは干渉計を用いて全波長を同時に取得するため、測定速度が格段に速くなります。

干渉計

FTIRは主に放射源、干渉計、検出器の3つの要素から構成されます。干渉計はビームスプリッタ、固定鏡、可動鏡で構成され、放射源からの光を二つに分割し、再びビームスプリッタで合流させて干渉パターン(干渉図)を生成します。この干渉図をフーリエ変換することで、全赤外領域のスペクトルが得られます。

検出器

干渉計から出た光は試料(固体・液体・気体)を通過します。試料は特定の波長を吸収し、残りは透過または反射します。取得した干渉図と光強度データはコンピュータへ送られ、フーリエ変換によりスペクトルが算出され、ユーザーに提示されます。

FTIRのメリット

  • 非破壊測定で試料を保存できる。
  • 測定速度が速く、1秒で1スキャンが可能。
  • 高感度・高精度で定量分析ができる。
  • 可動部は鏡1つだけのシンプル構造。

FTIRの用途

FTIRは化学物質の流出分析、汚染物質の同定、未知薬剤の識別など、公共衛生・安全、法執行、医療など幅広い分野で利用されます。得られたスペクトルは既知化合物のデータベースと比較し、未知物質は追加の分析が必要になることがあります。

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