腹部超音波とは何ですか?
画像診断法
腹部を評価する際に用いられる画像診断法は複数あります。X線やコンピュータ断層撮影(CT)はX線を利用し、軟部組織の微細な腫瘤を示すことがありますが画像は限定的です。CTは高解像度の画像を提供します。磁気共鳴画像法(MRI)は磁場を利用して詳細な画像を得ます。超音波は音波を使用し、他の診断法に比べ安全かつ低コストであるため、腹部の腫瘤や異常を最初に評価する手段として広く用いられます。
検査前の準備
腹部には小腸・大腸があり、食後は腸内にガスが溜まりやすくなります。超音波はガスを透過できないため、検査の8時間前から絶食を求められます。胆嚢は空腹時に胆汁で満たされ、検査中に胆嚢の形状や壁の厚さを評価できます。食事後は胆嚢が収縮し、胆汁が小腸へ放出されます。
使用周波数
超音波の周波数は、音波が体内をどれだけ深く届くかで選択されます。腹部超音波では比較的低い周波数が用いられ、一般的に5MHzが標準ですが、2〜7MHzの範囲で調整されます。検査技師はプローブを腹部に強く押し当て、脂肪や腸管を押しのけて臓器をクリアに映し出すことがあります。
検査プロトコル
腹部超音波は特定の臓器を対象に画像を取得します。各臓器は長軸(頭尾方向)と横軸(左右方向)の2平面で撮影されます。対象となる主な臓器は膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓です。肝臓と脾臓はサイズを測定し、胆嚢壁や総胆管の厚さも評価します。腎臓は腎臓超音波検査で別途評価されることが多いです。
検査時の体位
通常、患者は仰臥位(背中を下にして寝る姿勢)で開始します。胆嚢は仰臥位と左側臥位(左側を下にして寝る姿勢)で評価します。脾臓の撮影時は右側臥位に変更し、腸管が右側に移動して脾臓が見やすくなります。
