メディケア選びのポイント
メディケアは1965年に米国で制定された社会保障法の一部として創設された全国的な健康保険制度です。主に65歳以上の高齢者が利用しますが、障害を持つ若年者や特定の健康状態にある人も加入できる場合があります。メディケアはA、B、C(メディケア・アドバンテージ)、Dの4つのパートに分かれており、すべてを選択しなくても受給は可能です。各パートはそれぞれ異なる給付内容と費用構造を持っています。
パートA(入院保険)
パートAは原則として入院費用をカバーし、在宅医療や末期患者向けホスピスケアも対象となります。65歳以上で米国で一定期間働いた、または配偶者が働いた実績がある方は保険料が無料で加入できます(ただし、自己負担の控除額やコペイは発生します)。他のパートに加入するには、まずパートAに加入していることが条件です。
- 入院費用、在宅医療、ホスピスケアをカバー
- 多くの場合保険料は無料
- 控除額・コペイは別途必要
パートB(外来・予防医療)
パートBは原則として外来診療や予防サービスをカバーし、月額保険料が必要です。医師の診察、健康診断、ワクチン接種、ウェルネスプログラムなどが対象です。パートAと同様に、パートC(メディケア・アドバンテージ)を選択する場合はパートAとパートBの両方が必須です。加入時に年額控除額と20%のコペイが設定されます。加入を遅らせた場合は、遅延加入ペナルティが課されます。
- 外来診療、予防検診、ワクチン接種をカバー
- 月額保険料が必要
- 年額控除額と20%のコペイが適用
- 遅延加入すると罰金が発生
パートC(メディケア・アドバンテージ)
パートCは民間保険会社が提供するプランで、パートAとパートBの給付を一括で受けられます。基本的な給付はオリジナル・メディケアと同等(ホスピスは除く)ですが、視覚・聴覚・歯科・処方薬などの追加給付が含まれることがあります。プランはHMO、PPO、特別ニーズプラン、ハイデダクティブルプランなど多様で、医療費貯蓄口座(MSA)と組み合わせることも可能です。提供地域ごとにプランが異なるため、転居した場合は新たなプランの選択が必要になることがあります。費用は保険会社ごとに設定されます。
- パートA・Bの給付を民間保険で一括提供
- 追加給付(視覚・聴覚・歯科・処方薬)を含むことが多い
- HMO、PPO、特別ニーズプランなど多様なタイプがある
- 提供地域ごとにプランが異なる
パートD(処方薬保険)
パートDは処方薬のみを対象とした保険です。メディケア・アドバンテージに処方薬給付が含まれている場合は、別途パートDを購入する必要はありません。プランは民間保険会社が提供し、地域ごとに異なります。すべての薬がカバーされるわけではなく、控除額、コペイ、そして「ドーナツホール」と呼ばれる自己負担が増える期間があります。2011年以降の改革で段階的にドーナツホールは縮小されましたが、2020年まで完全には解消されませんでした。処方薬の必要が少ない人はすぐに加入する必要はありませんが、加入時期を逃すと遅延加入ペナルティが課されます。
- 処方薬のみをカバー
- 民間保険会社が提供し、地域ごとにプランが異なる
- 控除額・コペイ・ドーナツホールが存在
- 遅延加入ペナルティが適用される可能性あり
メディケアはパートAとパートBを基本とし、必要に応じてパートCやパートDを組み合わせて自分に合った医療保険を構築できます。加入時期やペナルティ、費用構造を正しく理解し、最適なプランを選択してください。
