米国医療保険の実態と誤解を正す
2010年3月23日、バラク・オバマ大統領は「医療保険負担適正化調整法(Healthcare Affordability and Reconciliation Act)」に署名し、米国の医療保険制度に大きな変革をもたらしました。しかし、制度変更に伴い医療保険に関する誤解や根拠のない主張が広がっています。本稿では主要な保険形態とそれぞれの特徴を整理し、誤情報を正します。
ユニバーサル医療保険
ユニバーサル医療保険は、すべての人に質の高い手頃な医療を提供することを目指しています。米国医学生協会は、教育が政府によって提供され社会に利益をもたらすのと同様に、医療も政府が財源を負担すべきだと主張しています。また、保険未加入者が医療保険を受けられないのは、制度が身近にないからだと指摘しています。一方、CATO研究所のマイケル・タナー氏は著書『Healthy Competition: What's Holding Back Health Care and How to Free It』で、ユニバーサル保険が必ずしも医療への普遍的アクセスを保証するわけではないと述べ、他国の事例を分析することの重要性を訴えています。
Preferred Provider Organization(PPO)
PPOは、提携医療機関のネットワークを通じて割引料金で医療サービスを受けられる保険です。ネットワーク外の医師を利用することも可能ですが、その場合は追加料金がかかります。柔軟性が高く、代替医療や特殊な治療も比較的カバーされやすい点が特徴です。
Health Maintenance Organization(HMO)
HMOは、保険会社と医療提供者が事前に料金を取り決める形態です。医療は基本的にネットワーク内の医師に限定され、ネットワーク外の診療は原則カバーされません。その代わり、保険料が低く、自己負担額(デダクティブル)も抑えられることが多いです。
