ケア配給が看護に及ぼす影響

患者ケアへの影響

看護師が限られた人数でケアを配分すると、十分なスタッフがいる場合に比べて患者へのケアは減少します。患者が看護師の助けを必要とすると、看護師が対応可能になるまで待たなければならないことが多く、必要度に応じて一部の患者は優先的に対応されることがあります。しかし、すべての状況で迅速な対応が取れるわけではなく、必要なケアが遅れると患者の状態が悪化するリスクがあります。

患者の優先順位付け

ケア配給の実務では、若く健康な患者が高齢者や重症患者よりも優先されるケースがあります。低優先度とされた患者は感染症や褥瘡(じょくそう)のリスクが高まり、死亡率も上昇することが報告されています。年齢や病状で治療の権利が制限されることは患者の権利侵害と考える看護師もいますが、病院の方針に異議を唱えると職を失うリスクがあるため、実際に声を上げにくい状況です。

患者のアウトカム(結果)

必要なケアがタイムリーに提供されないと、患者の状態は悪化したり、回復に時間がかかり、結果として医療費が増大します。スイスで実施された研究(2003〜2004年、バーゼル大学とペンシルベニア大学の共同研究)では、看護師のケア配給が行われた期間にネガティブなインシデントが増加したことが示されました。具体例として、投薬ミスは85%、転倒は約89%の患者で発生しています。

看護師への影響

ケア配給が行われる病院では、看護師は過重労働を強いられます。人手不足がさらに深刻化するため、残業が常態化し、既に高いストレスが増幅します。患者の優先順位付けに疑問を抱く看護師は、仕事へのやりがいを失い、将来的に看護職から離れることもあります。また、看護師志望者が長時間労働や過度なストレスを理由に別の職業を選択するケースも増えています。

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