不適切な医療略語使用の危険性
薬剤の混同
AllBusiness医療実務ブログによれば、米国医学院(Institute of Medicine)が報告したところ、年間7,000件以上の死亡が薬剤エラーに起因し、その多くは略語の混乱による投与ミスや誤薬が原因です。薬は過量でも危険ですから、正しい薬を正確な量で投与することが不可欠です。しかし、略語は薬名同士だけでなく、薬と測定単位の区別にも混乱を招きます。
標準化された略語がない
複数の団体が医療略語の標準リストを作成していますが、病院や大学が採用するリストは多数あり、どれを選ぶかの統一基準がありません。その結果、同じ薬や手技でも略語が異なり、混乱が生じやすくなります。さらに、医師が独自に略語を作るケースも多く、Medical News Todayの調査では糖尿病患者のカルテの5%に医師固有の略語が使用されていることが判明しています。
略語の限定性
略語は文字数が限られるため、同じ略語が複数の意味を持つことが頻繁にあります。医療略語辞典をめくると、一つの略語に数十の意味が掲載されていることも珍しくありません。これが薬剤の混同につながります。さらに、医師の筆跡が不鮮明で「i」と「l」などが取り違えられやすく、問題はさらに深刻化します。
