セルトリ細胞の概要と機能
概要
セルトリ細胞は精巣の精細管基底層に位置し、精子形成(精子発生)の場である精細管内で大きく伸びた細胞です。基底層では未成熟の精子幹細胞が、管腔側では成熟へ向かう精子が存在し、セルトリ細胞はこれら二つの区画をつなぎます。
機能
セルトリ細胞は発育中の精子に栄養と必須の化学シグナルを提供し、精巣液を分泌して精子を管腔へ運搬します。成熟した精子は細胞から押し出され、余分な細胞質はセルトリ細胞が貪食して除去します。
ホルモン制御
セルトリ細胞は2つの重要なホルモンを分泌します。1つはアンドロゲン結合タンパク(ABP)で、精子幹細胞がテストステロンに結合しやすくし、テストステロン濃度が上昇すると精子の成熟が促進されます。もう1つはインヒビンで、前頭葉下垂体からのゴナドトロピン放出を抑制し、精子数が多いときに産生を抑える役割を果たします。
テストステロンとの関係
胎児期の男性では高濃度のテストステロンが生殖器の発達に必要で、出生直後に低下します。思春期に入るとテストステロンが再び上昇し、初めて精子形成が始まります。
歴史的背景
セルトリ細胞はイタリアの組織学者エンリコ・セルトリ(1842‑1910)によって初めて記述され、別名「支柱細胞(sustentacular cell)」とも呼ばれます。
