感情と関わる化学物質

脳内の神経細胞と神経伝達物質の密なネットワークが、日々私たちが経験する性格や感情を形作ります。行動は単純に神経伝達物質と対応させることはできませんが、心理学者や医師は特定の化学物質と感情体験との関係を明らかにしています。

ドーパミン

ドーパミンは快感や幸福感と結びつく神経伝達物質です。その化学構造と作用は、一部の違法薬物と似ていますが、ドーパミンの役割はそれだけに留まりません。適切なレベルは細かい運動機能や随意運動の制御に不可欠で、パーキンソン病患者はドーパミンが不足しています。また、痛みの知覚強度を低減する働きもあります。

セロトニン

セロトニンは脳内で神経インパルスの伝達を助け、気分の安定に関与します。セロトニン濃度が低下するとうつ病や不安が生じやすくなります。うつ病治療に用いられる選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、セロトニンが再取り込まれるのを防ぎ、脳内濃度を増加させます。

アドレナリン

アドレナリンは興奮やエネルギー感覚と関連する神経伝達物質で、いわゆる「闘争・逃走」反応の中心です。危険を感じたときに大量に分泌され、身体を戦うか逃げるかの状態に備えます。命に直接関わらないストレス状況でもアドレナリンは分泌されます。

オキシトシン

オキシトシンは恋愛や親子の絆に関わる物質です。動物実験では、オキシトシンを阻害すると母子間の結びつきや一夫一婦制の行動が低下することが示されています。出産や授乳、親密な身体接触の際に分泌されますが、単純に「恋愛ホルモン」と呼ぶのは科学的に正確ではありません。

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