スクルプルソリティ(過度な宗教的潔癖)障害
強迫性障害(OCD)
スクルプルソリティは、強迫性障害(OCD)の一種で、宗教的儀式や信条に対する過度な執着が特徴です。OCDは「強迫観念」と「強迫行為」の二つの側面から成り立ちます。強迫観念だけであれば、侵入的な思考や不安が中心ですが、強迫行為が加わると、思考を和らげるために儀式的な行動を繰り返すようになります。
スクルプルソリティの場合、軽微な罪に対する罪悪感が徐々に強まり、神の罰を恐れる不安へとエスカレートします。その不安を和らげるため、告解や祈り、供物の用意といった儀式を繰り返すようになり、精神的な生活が病気に支配されてしまいます。
症状
宗教や信仰の違いはあれど、共通して見られる主なサインは「過度な恐れ」と「過剰な罪悪感」です。小さな過ちに対しても許しを受け入れられず、過度な償いを求める場合や、宗教的な不安が日常生活に支障をきたす場合はスクルプルソリティが疑われます。
罹患率
OCD全体は米国人口の約2〜3%が罹患しているとされています。その中でスクルプルソリティを呈する人の正確な割合は不明ですが、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教などさまざまな宗教の信者に見られます。
治療法
多くの場合、認知行動療法(CBT)と薬物療法の併用が有効です。特に「曝露と反応妨害(ERP)」は、宗教的な不安に徐々に直面させ、儀式的な行動を抑える訓練として効果が期待できます。
薬物療法
OCDの神経生物学的メカニズムは完全には解明されていませんが、セロトニン系の異常が関与していると考えられています。そのため、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)―クロミプラミン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンなど―が主に処方されます。
