MMPI-2 の解釈方法
概要
ミネソタ多相人格質問紙(MMPI-2)は、ミネソタ大学のJames Butcherらが中心となって50年以上の研究の成果として開発された心理検査です。元のMMPIと同様に、精神科患者や一般集団に対して精神症状に関する質問を行い、診断群の回答パターンを基に尺度が作られました。生データの解釈は心理検査の資格を持つ専門家が行うべきですが、受検者は専門家から提示された結果をある程度理解しておくと有益です。
MMPI-2 の結果を読むポイント
有効性尺度(Validity Scales)
以下の尺度の構成を確認します。
- L(嘘尺度): 高得点は自己を過度に好意的に見せようとする傾向を示します。例:「嘘をつかない」と肯定的に答える。
- F(頻度尺度): 極端な回答を測定し、精神疾患や感情の欠如を装う場合に高くなります。
- K(防御尺度): 心理的防衛心の強さを示します。
- ?(回答不能): 未回答項目の数を示します。
- TRIN・VRIN・Fb など: 項目の読解・一貫性を評価する追加の有効性尺度です。
臨床尺度(Clinical Scales)
MMPI-2 には元のMMPIから継承された10 の基本臨床尺度があります。これらは主に精神疾患のパターンを評価するために用いられます。
- ヒポコンドリア(健康不安)
- 抑うつ(Depression)
- ヒステリー(Hysteria)
- 精神病的逸脱(Psychopathic Deviance)
- 男女特性(Masculinity/Femininity)
- 偏執(Paranoia)
- 精神衰弱(Psychasthenia)
- 統合失調症(Schizophrenia)
- 軽躁(Hypomania)
- 社会的内向性(Social Introversion)
これらの尺度が有意に高い場合、該当する精神障害の可能性が示唆されます。
内容尺度(Content Scales)
臨床尺度の下位因子として派生した内容尺度は、主尺度が高得点である場合にのみ解釈します。代表的なものに不安、恐怖、強迫観念、健康への関心、奇異な思考などがあります。
補足尺度(Supplemental Scales)
過去50 年間に多数の研究者が開発したサブ尺度があります。その中でも Harris‑Lingoes のサブ尺度が最も広く使用されています。主な項目は以下の通りです。
- 主観的抑うつ(Subjective Depression)
- 精神運動遅滞(Psychomotor Retardation)
- 身体機能不全(Physical Malfunctioning)
- 精神鈍化(Mental Dullness)
