ADHDインデックス(CTRS‑R)とは何か
ADHDインデックス(Conners Rating Scales、CTRS‑R)は、最も広く用いられている標準化ADHD評価テストです。Keith Conners博士が1969年に開発し、1997年に改訂されました。複数の質問を通じて、ADHDの可能性がある人の行動や習慣がどの程度生活に影響しているかを測定します。現在も臨床現場で主に使用されています。
テストの概要
評価者は以下の10項目を順に評価します。
- 落ち着きがなく過活動的である
- 興奮しやすく衝動的である
- 始めたことを最後までやり遂げられない
- かんしゃくを起こす
- そわそわしている
- 他の子どもを邪魔する
- すぐに要求が満たされないと不満を示す(苛立ちやすい)
- 泣きやすく感情が不安定である
- 気分が急激に変化する
各項目は 0(全く当てはまらない)〜3(非常に当てはまる)の4段階で採点され、結果は t スコアとして示されます。テストは男女別、年齢別(3‑5歳、6‑8歳、9‑11歳、12‑14歳、15‑17歳)に標準化されています。
目的
初期のインデックスはADHDを精神医学コミュニティで認知させる役割を果たしましたが、診断や治療のばらつきが大きく問題視されました。新版では研究や臨床での一貫性を高め、地域・文化的差異にも対応しています。また、注意欠陥型と多動衝動型を適切に区別できる点が特徴です。一方、評価が患者の周囲への影響に依存しているため、内部的な症状の把握が不足しがちです。
改訂点
2010年以降の最新版は、米国精神医学会が定める DSM‑IV 基準と組み合わせて使用されます。ADHD に限らず、誤診を防ぐための広範な評価枠組みが提供されています。
評価上の課題
テストは評価者が被験者の行動を十分に理解していることが前提です。そのため、評価者の経験差が結果に影響しやすくなります。近年は、患者自身の内面的な経験やトラウマへの配慮が重視されるようになり、外部行動だけでなく内的症状も評価に組み込む方向へシフトしています。幼児が自己を良く見せようとする傾向も結果を歪める要因となりますが、行動評価と自己報告を組み合わせたハイブリッド方式が今後の主流と考えられます。
専門家の見解
2020年時点でフルテストの費用は約500米ドル以上と高額です。主に診断目的で設計されており、治療プログラムの作成には別途評価が必要です。また、Daniel Amen 博士らが提唱する ADHD の細分化タイプには対応していません。ADHD の疑いがある場合は、必ず専門医の診断を受けることが推奨されます。
