転換障害の入院治療ガイド

定義

転換障害はDSM‑IV‑TR(2000)で「身体症状障害」と定義され、精神的・感情的なストレスに対する身体の反応として現れます。主に特定部位の麻痺や、半身の感覚消失、視覚・聴覚障害、発作(てんかん様)などの神経症状として現れます。

歴史と重要性

かつて「ヒステリー」と呼ばれ、19世紀の神経学者が心理的外傷やストレスが原因と指摘しました。第一次世界大戦の戦闘兵にも同様の症状が見られ、「戦闘神経症」と呼ばれ、催眠や鎮静剤で治療されました。身体症状が心理的ストレスに起因することの認識は重要で、診療所受診の約72%が身体症状が原因とされています。

診断基準

DSM‑IV‑TR が示す転換障害の診断基準は以下の通りです。

  1. 自発的な運動または感覚に影響する神経症状が1つ以上あること。
  2. 症状の出現・悪化が重大なストレス後であること。
  3. 症状が意図的に作り出されたものではないこと。
  4. 医学的疾患や薬物・文化的要因で説明できないこと。
  5. 日常生活(学業・仕事・社交)に支障をきたすほど重篤であること。
  6. 疼痛だけでなく、他の精神障害で説明できないこと。

医学的疾患の除外が必要なため、診断は難しいことがあります。

治療法

メルクオンライン医学辞典によれば、入院治療(一般病院)では2週間以内に症状が改善することが多いですが、25%程度で1年以内に再発し、長期的な治療が必要になる場合があります。入院は患者や他者に対する差し迫った危険がある場合に限られ、ほとんどは外来での治療が適しています。

外来カウンセリングでは、転換障害の根底にある不安や抑うつなどを探ります。必要に応じて精神科医へ紹介し、気分や不安を調整する薬物療法が行われます。認可された催眠療法士による催眠も有効で、過去のストレス体験をイメージしながら症状の原因を解明・解消します。

神経学的関連と新しい治療アプローチ

メイヨークリニックの報告では、転換障害患者の脳は過剰覚醒状態や特定領域の活動低下を示し、心理的ストレスを身体的苦痛に変換しようとする防御機構と考えられています。この理論に基づき、経頭蓋磁気刺激(TMS)などの非侵襲的手法が試されています。弱い電流を頭部の磁石で流し、脳の化学状態を変化させることで、麻痺や発作の信号を遮断することを目指します。

メンタルヘルス治療 - 関連記事