精神科看護における倫理的課題
米国看護協会(ANA)の倫理規定は、倫理的な看護師は「社会的・経済的地位や個人的属性、健康問題の性質に関わらず、すべての個人の固有の尊厳・価値・独自性を慈悲と敬意をもって実践する」と述べています。精神疾患や自殺念慮、性的葛藤を抱える患者と関わる精神科看護師は、多くの倫理的ジレンマに直面します。
職務上の責務
- 個人が自らの運命を決定する権利を尊重する。
- 他者の福祉を促進する看護師の義務。
- 他者に害を及ぼさないことへの責任。
- すべての患者を平等かつ公正に扱う。
- 真実を語ること。
自殺に関する課題
患者が自殺を望む場合、自己決定権と自殺が非合理的選択であるという見解が対立します。『精神科・メンタルヘルス看護』では、末期がんで激しい苦痛に苛まれる患者や、仕事・金銭・住居がない33歳女性など、さまざまなケースが提示され、看護師は患者の決定を尊重すべきか判断を迫られます。
レパラティブ・セラピー(転向療法)
同性愛者を異性愛者に転向させようとする治療は「レパラティブ・セラピー」と呼ばれます。『小児・思春期精神科看護ジャーナル』は、精神医療界はこのような治療を患者に有害とみなし、看護師がたとえ患者の要望があっても関与することは重大な倫理違反としています。
治療拒否の権利
クイーンズ大学の指針によれば、患者は薬物治療を拒否する権利があります。また、入院よりも外来治療といった、最も制限が少ない代替治療を選択する権利も尊重されます。たとえ看護師がより制限的な方法の方が効果的と考えても、患者の選択を優先しなければなりません。
