ADHDと不安障害の治療薬について
刺激薬(Stimulants)
ADHDの治療で最も一般的に処方されるのは刺激薬です。米国国立衛生研究所(NIH)のNIDAによると、これらの薬は脳内の神経伝達物質であるドーパミンの量を増やす働きがあります。ADHDの患者はドーパミンが不足していると考えられ、刺激薬は過活動を抑え、集中力と注意力を高める効果が実証されています。
ADHD用刺激薬の代表例
米国でよく知られている刺激薬には、リタリン(メチルフェニデート)、アデロール(アンフェタミン混合塩)、コンサータ(徐放性メチルフェニデート)、ビバンセ(リスデキスアンフェタミン)があります。重度のADHDの場合、メタンフェタミン製剤のデソキシンが処方されることもありますが、心血管系へのリスクや依存性が高いため、使用は極めて稀です。
不安障害に用いられる抗うつ薬
本来はうつ病治療薬として開発された抗うつ薬は、不安障害にも有効とされています。現在、最も一般的に処方されるのは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)とセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)です。これらは神経伝達物質の再取り込みを阻害し、徐々に不安感を軽減します。最大効果が得られるまでには1〜4週間かかります。代表的な薬剤にはフルオキセチン(プロザック)、セルトラリン(ゾロフト)、パロキセチン(パキシル)があります。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
ベンゾジアゼピンは最も広く処方される抗不安薬で、ADHD治療薬と併用されることもあります。代表例はアルプラゾラム(ザナックス)、ジアゼパム(バリウム)、クロナゼパム(クロニピン)です。効果は速やかで、服用後20〜60分で不安が軽減しますが、依存性が高く、短期間・必要時のみの使用が推奨されます。急に中止すると離脱症状が出るため、注意が必要です。
使用上の注意
ADHDと不安障害の薬については、医師とリスク・ベネフィットを十分に相談してください。刺激薬やベンゾジアゼピンは乱用・依存の危険があり、過量摂取のリスクもあります。抗うつ薬には自殺念慮が増加する可能性がある旨の警告が添えられています。心臓疾患を持つ方は刺激薬使用前に必ず医師と相談しましょう。また、ベンゾジアゼピンなどの抗不安薬を服用中はアルコール摂取を避け、過量摂取が疑われる場合は直ちに救急サービスへ連絡してください。
