糖尿病患者の足切断がもたらす心理社会的影響
悲嘆 (Grief)
1998年のBritish Medical Journalの記事によると、切断が必要になると、患者は配偶者を失った寡婦と同様の悲嘆を経験します。失った身体部位への執着や、幻肢(phantom limb)として残る感覚が特徴です。時間とともに幻肢感覚は薄れ、義肢と統合されることが多いです。職場復帰は回復に有効ですが、切断患者の約3割しか元の仕事に戻れません。
対処スタイル (Coping Styles)
切断前後の運動機能低下への不安は、手術前後にうつを引き起こす要因となります。うつはリハビリを遅らせ、糖尿病管理を困難にします。特に手術前に不安やうつの既往がある人、自己依存が強い人は心理的反応が悪化しやすいと報告されています。
遅延反応 (Delayed Reaction)
自己依存的な患者は術後最初は順調に見えるものの、約13か月後に幻肢痛が顕在化しやすくなります。これは、喪失直後は悲嘆が少なくても、後に故人の症状に似た感情が現れるケースと類似しています。
心理社会的評価 (Psychosocial Evaluation)
Journal of Orthotics and Prosthetics に掲載された研究では、切断患者の身体イメージと心理社会的福祉との間に相関があることが示されています。身体障害は不安、うつ、自己評価の低下、生活満足度の低下を招く傾向があります。
治療 (Treatment)
切断は外傷的出来事であり、うつは健康予後を悪化させるため、切断患者はうつや不安の有無を評価し、必要に応じて治療すべきです。治療法としては、心理療法、薬物療法、またはその併用が推奨されます。
