メディア暴力が社会に及ぼす悪影響
子どもの攻撃性の増加
テレビや映画、音楽、ビデオゲームに含まれる暴力的な映像は、子どもたちの攻撃的行動を促す可能性があります。2003 年の研究『メディア暴力が若者に与える影響』では、メディア暴力に頻繁に触れる子どもは、身体的・言語的な攻撃だけでなく、攻撃的な考えや感情も抱きやすくなると結論付けられました。
大人の攻撃性の増加
子どもの頃にメディア暴力にさらされた経験は、成人期にも続く攻撃性の高さと関連しています。『Public Interest における心理学的科学』に掲載された研究は、幼少期のメディア暴力曝露が、身体的暴行や配偶者への虐待といった形で成人期の攻撃性を高めることを示しています。ただし、殺人や強姦など極端な犯罪行為に直接結びつくという証拠は示されていません。
暴力への感覚鈍麻
1970 年代以降の多数の調査は、暴力的なメディアを大量に消費する人ほど、実際の暴力に対する衝撃や不快感が減少することを明らかにしています。その結果、実際の犯罪現場に遭遇した際の同情心や支援意欲が低下する傾向が見られます。
「厳しい世界症候群」
長期にわたるテレビ視聴研究によれば、暴力的映像を多く見る人は、テレビが映し出す世界観を現実と同一視しがちです。そのため、犯罪率が低下していても、自分が被害者になるリスクを過大評価し、社会全体が危険だと感じる「Mean World Syndrome(厳しい世界症候群)」が生じます。
