親水性真菌が発生する原因は?
真菌は増殖に必要な水分量で分類されます。最も多くの水を必要とするのが親水性真菌で、代表例として Stachybotrys chartarum や Chaetomium globosum が挙げられます。これらの胞子は適切な環境が整うと発芽し、水・空気・栄養が十分に供給されていると急速に繁殖します。水漏れや浸水が起きた住宅は、親水性真菌の温床となりやすく、米国疾病予防管理センター(CDC)も除去時は呼吸器疾患のリスクがあると警告しています。
水分の供給源
真菌の胞子は至る所に存在し、湿度が高い環境で活性化します。洪水後や破損した配管からの水たまり、さらには相対湿度が90%以上になると、胞子は発芽します。親水性真菌は壁内部に潜んでおり、屋根や壁の漏水があるとすぐに増殖を開始します。発芽に適した温度は種によりますが、概ね摂氏21〜32度、酸素も必要です。
栄養源が必要
胞子が発芽した後は、コロニーを維持するための食料が必要です。真菌は人間と同様の有機物を分解できますが、特に建材中のセルロースを好んで利用します。親水性真菌は窒素要求が低く、湿った壁紙、乾草、天井タイル、断熱材、カーペットなどを分解します。植物由来の材料を最も好みますが、一定の水分があれば有機含有量が低い素材でも増殖可能です。
発生頻度と増殖速度
親水性真菌は他の種に比べて増殖が遅く、最適条件が揃ってから約2週間で広がります。一方、Aspergillus などは1日で拡散します。環境に定着すると、親水性真菌が優勢になることが多く、CDC は水損傷を受けた建物で Stachybotrys chartarum のコロニーが「珍しくない」ことを指摘しています。
健康への影響と除去方法
真菌胞子はアレルギーを悪化させることがあります。さらに、親水性真菌の一部はミトトキシンを産生し、呼吸器疾患の原因となります。米国国立職業安全衛生研究所(NIOSH)の2008年の研究では、床や椅子のほこり中に親水性真菌が含まれると呼吸器疾患のリスクが上昇することが示されました。CDC は除去作業は慎重に行うよう勧告しています。
非多孔質表面(金属、プラスチックなど)は、1カップの漂白剤を1ガロンの水に混ぜた溶液で洗浄すれば除去できます。多孔質表面(壁、天井、断熱材)は取り除き、交換することが推奨されます。広範囲にわたる増殖は専門業者に依頼し、作業後は除湿機で乾燥させ、漏水箇所を修理して再発を防止してください。
