油流出が海洋生物に及ぼす影響
油流出は海洋生物とその生息環境に壊滅的な被害をもたらします。特に免疫機能が未熟で急速に成長する幼魚や両生類、軟体動物は、餌への依存度が高く汚染に対して最も脆弱です。一方、海棲哺乳類や鳥類は移動能力が限られるため、油流出後の生存率は比較的低くなります。
身体機能への障害
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油由来の化学物質は海洋生物に有害な影響を与えます。特に幼生や稚魚は即死するか摂食が阻害されます。油が水面を覆うと大気と水の間のガス交換が妨げられ、酸素や窒素の供給が減少します。その結果、行動変化、免疫機能低下、ホルモン合成障害、繁殖能力の低下が起こり、個体群全体が危機に瀕します。
幼生への影響
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表層で発育する魚類は油流出の影響を受けやすいです。2011年2月号『Marine Pollution Bulletin』の研究では、日本カレイの幼生が8.75 mg/L以上の油濃度に曝露されると、神経組織の成長を制御するタンパク質Sema3が過剰発現し、異常な部位で神経組織が形成されることが報告されました。
DNA損傷
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石油に含まれる多環芳香族炭化水素(PAH)はDNAに損傷を与えることが知られています。2002年9月号『Marine and Environmental Research』の調査では、二枚貝類の中でも特にムール貝の消化腺にDNA損傷が認められ、一方でハマグリは比較的影響が少ないことが示されました。
食物連鎖への汚染
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マングローブは沿岸の繁殖地や餌場として重要ですが、油流出後は堆積物の移動が減少し、好気性細菌による分解が進まないため、石油汚染物質が残留しやすくなります。1996年2月号『Bulletin of Environmental Contamination and Toxicology』の研究では、ナフタレンなどの有毒成分が巻貝の行動に変化をもたらすことが報告されています。
