油流出を効果的に除去する方法は?
油流出は掘削プラットフォームの破損や海底パイプの漏れ、タンカーの衝突・座礁などで発生し、環境・海洋生物・水鳥に深刻な被害をもたらします。長期的な影響は漁業や観光業への打撃、膨大な清掃費用につながります。本稿では、従来の経験に基づく手法から最新の技術まで、代表的な油流出除去方法をご紹介します。
化学分散剤
化学分散剤は油を微細な粒子に分解し、広範囲に広がった油膜の除去に有効です。船舶や航空機、陸上の作業員が分散剤を散布し、油を小さな滴に分離させます。これらの滴は海中の自然細菌により分解されます。潜水機器を使った水中散布も、油が表面に達する前に分解させる実績があります。
制御燃焼
制御燃焼は、防炎ブームで油膜を囲い込み、密度の高い油の塊を作ります。その後、航空機や火炎装置で点火し、短時間で大量の油を燃やします。岸辺への流出を防げますが、煙や炭素の大気放出という副作用があります。燃焼は油流出直後に実施する必要があります。
スキマーとブーム
スキマーとブームは、油を囲んで集中させ、機械的に吸い上げて回収する代表的な手法です。ブームで油を囲み、スキマーが濃厚な油層を吸引してタンクに貯めます。天候が作業効率に影響しますが、海岸や潮溜まりへの油流入を大幅に抑制できます。
吸着材
EPAは小規模な流出や残留油の除去に、木くず、粘土、羽毛、羊毛、合成吸着材などの吸着素材が有効としています。一部の素材は自重の70倍まで油を吸収できます。大規模流出への利用は検討段階ですが、期待が持たれています。
自然分散
海洋産業や沿岸環境への影響が少ない場合は、自然に任せる方法もあります。太陽光、波、風、潮流が油を蒸発・分解させ、軽質油は比較的速やかに除去されます。重油は除去が困難ですが、コスト面で最も経済的です。
手作業による清掃
岸辺に油が付着した場合、重機や手作業での清掃が有効です。多数の作業員がショベル、バケツ、バリケード、ブラシなどを使って汚染された砂浜や港湾を除去します。観光地や漁業地域では費用がかさむものの、最も確実な除染手段です。
