グレイウォーター処理に使われる化学物質

グレイウォーターはトイレ以外の家庭排水を指し、世界の多くの地域で水需要の増加、降雨量の減少、経済的制約から再利用への関心が高まっています。グレイウォーターには微生物など多様な汚染物質が含まれ、化学的消毒が一般的な除染手段です。

微生物

グレイウォーター中に検出される微生物は細菌、ウイルス、原虫、蠕虫などです。手洗いやおむつ交換、または生肉の洗浄時に糞便汚染が起こります。これらの微生物は免疫力が低下した高齢者やHIV感染者、臓器移植受容者などに感染リスクをもたらすほか、灌漑用として地下水や飲料水を汚染する恐れがあります。

塩素

塩素は飲料水やプールの消毒に広く利用されている最も一般的な化学消毒剤です。グレイウォーター1リットルあたり約15 mgの塩素が使用されます。顆粒、錠剤、家庭用漂白剤など形態が豊富でコストも低いのが特徴です。ただし、有機汚染物質が多いと塩素の殺菌効果が阻害されるため、事前に有機物を除去するフィルタリングが必要です。

フェレート(VI)塩

ナトリウムフェレートやカリウムフェレートなどのフェレート(VI)塩は強力な酸化剤かつ凝集剤として機能し、微生物の不活性化、懸濁粒子の除去、さらに有機・無機汚染物質の分解が期待できます。しかし、安定性が低く製造時の収率が低いこと、他の化学処理と比較した有効性の研究が不足していることから、実用規模での導入はまだ限定的です。

エッセンシャルオイル

抗菌性を持つエッセンシャルオイルも研究が進んでいます。英国クランフィールド大学の研究では、オレガノオイルとカーヴァクロールが有効で、オレガノオイルを1リットルあたり468 mg添加した水では大腸菌が検出限界まで低下しました。塩素やフェレートと同様に、有機物がオイルの作用を阻害する点や、産業規模での供給量が不足している点が課題です。

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