主要な3つの化石燃料のメリットとデメリット
主要な化石燃料は石油、石炭、天然ガスの3つです。石油は自動車やその他の車両の燃料に精製され、その精製過程で生まれる副産物はプラスチック、繊維、医薬品など多岐にわたります。石炭は工業化が進んだ世界で主要な電力源となっており、石炭火力発電所は家庭や商業施設へ大量の電力を供給しています。天然ガスは家庭や事業所での調理や暖房に広く利用されています。
資源の枯渇
石油、石炭、天然ガスの3つすべてに共通する性質は「枯渇性」です。これらは非再生可能資源であり、利用できる量は有限です。石炭や石油、天然ガスは何百万年もの時間をかけて形成されたもので、現在採掘されている資源は約2億8600万年前から3億6000万年前の炭素紀に遡ります。そのため、短期間で新たな供給が増えることは期待できません。既存の埋蔵量が減少すると、採掘コストが上昇し、結果として消費者の負担が増大します。
インフラストラクチャー
化石燃料の利用には、既存のエネルギー供給・輸送インフラが整備されているという大きな利点があります。2011年時点で、ガソリン車はほぼすべてのガソリンスタンドで給油でき、都市部や高速道路の出口にも多数設置されています。また、天然ガスは家庭用の暖房・調理・給湯に広く使われ、1997年の米国エネルギー情報局の調査では、全世帯の61%が何らかの形で天然ガスを利用していました。石炭についても、米国内に約600基の石炭火力発電所があり、21世紀初頭には全電力の約54%を供給していました。これらの既存インフラは、化石燃料の継続使用を短期的な追加投資なしで可能にしています。
環境への影響
米国の環境団体「Union of Concerned Scientists」は、石炭火力発電が米国内最大の大気汚染源であり、二酸化炭素、二酸化硫黄、水銀化合物などを排出すると指摘しています。天然ガスは石炭に比べて排出量は少ないものの、二酸化炭素、窒素酸化物、メタンといった温室効果ガスを放出します。石油を燃焼させる車両は大気質を悪化させ、健康被害や酸性雨・スモッグの原因となります。また、採掘過程で生じる廃棄物や、炭鉱の崩落・爆発、ディープウォーターホライズンのような油田事故は、人命や環境に長期的な悪影響を及ぼします。
経済的コストと信頼性
化石燃料から再生可能エネルギーへの転換には初期投資が必要です。例えば、住宅に太陽光発電システムを導入する場合、導入コストが高いため、既存の化石燃料ベースの電力供給を維持した方が経済的に有利と感じる家庭も少なくありません。石炭火力は天候に左右されず24時間稼働でき、石油も供給が安定しています。一方、電気自動車は充電に時間がかかり、太陽光車は日照条件に依存します。こうした「常時供給できる」特性と転換コストの高さが、短期的には化石燃料に有利な点です。しかし、資源の枯渇が進み供給が減少すれば、コストは上昇し、化石燃料の優位性は徐々に失われるでしょう。
